成瀬は都を駆け抜ける
著者:宮島 未奈 出版社:新潮社
目次(章構成)
- 第一章 やすらぎハムエッグ
- 第二章 実家が北白川
- 第三章 ぼきののか
- 第四章 そういう子なので
- 第五章 親愛なるあなたへ
- 第六章 琵琶湖の水は絶えずして
あらすじ
京都大学の入学式に参加していた坪井さくら(つぼいさくら)は、片思いをしていた同級生がそこではなく東京大学に進学したため、もう会えないことを実感し、失意に暮れていた。
そこに成瀬あかりが現れ、「大丈夫か」と声をかけてきた。
さくらはなんとなく成瀬あかりが気になり、その姿を追うと、ガイダンス会場にびわ湖大津観光大使の服装で出席するなど、個性的な人物であることを知る。
その信念を貫き通す姿を見て、徐々に成瀬に心を惹かれていったさくらは、自分の失恋のことを相談する。
相談を受けた成瀬は、さくらに対して「ほかのことに打ち込んで気を紛らわすしかないだろうな」とアドバイスをする。
そのアドバイスに従ったさくらは、徐々に料理にのめり込み……
見どころ
本書では、前作同様に成瀬あかり以外の人物からの視点で描かれています。
前述のあらすじに記載した「やすらぎハムエッグ」のほかにも5章が収められていますが、特に第四章の「そういう子なので」では成瀬あかりの母親の視点が描かれており、彼女の原点を垣間見ることができます。
また、第五章の「親愛なるあなたへ」では前作でも登場した西浦航一郎(にしうらこういちろう)が再登場します。
彼は相変わらず、成瀬あかりに想いを寄せており、その大胆なのか慎重なのかよくわからない行動にはドキドキニヤニヤさせられます。
成瀬は都を駆け抜けるの総合評価と感想
『成瀬は都を駆け抜ける』の総合評価は ★★★★☆(4.5/5)です。
大人気「成瀬シリーズ」の完結編にふさわしい、勇気と再出発を描いた青春小説でした。京都大学に進んだ成瀬あかりと、彼女に惹かれる坪井さくらなど、新たな登場人物の視点から物語が広がります。
正直な感想としては、これまでのシリーズを読んできた人ほど胸に響く、集大成といえる内容。成瀬の変わらない信念と、周囲の人々の成長が重なり合い、温かくも前向きな読後感が残ります。シリーズを追ってきた方は、ぜひ最後まで見届けてほしい一冊です。
こんな人におすすめ
成瀬シリーズは本書で完結とのことなので、前作『成瀬は信じた道をいく』まで読んだ人には絶対に本書を読んでほしいです。
本書でも成瀬あかりは自然体で自分がしたいこと、あるいはすべきことを行っているだけなのに、その姿を見た人は立ち直り、奮起していきます。
かく言う私もその一人です。
成瀬あかりの言葉には人を勇気づける力がある気がします。
私は、「ゴールにたどり着かなくても、歩いた経験は無駄じゃない」の一言にはとても勇気づけられました。
本書は悩んでいる人、迷っている人にはぜひおすすめです。
成瀬あかりにあなたの道のりを照らしてもらいましょう!
成瀬シリーズ全3作の位置づけと読む順番は、こちらのまとめ記事で解説しています。

📚 成瀬シリーズを読み終えた方へ
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