ギャルにひかれて寺マルシェ
著者:宮島未奈
出版社:角川書店
目次(章構成)
- 第一章 ひかるリザードン
- 第二章 マッチ一本火事の元
- 第三章 当たるも八卦、当たらぬも八卦
- 第四章 シールいかがですか
- 第五章 陵泉寺の鐘の声
- 第六章 あじさいの花咲く頃
あらすじ
亡くなった父親の酒店を継いだ30歳の英介(えいすけ)は、商売への向上心もなく、なんとなく毎日を送っている。
そんな中、地元に戻ってきた腐れ縁の悪友・光司(こうじ)にそそのかされ、子供の頃に近所の陵泉寺に埋めた高価なポケモンカードを掘り出すことに。
偵察のため、陵泉寺の『寺マルシェ』を訪れると、ギャルメイクで法話を行う尼僧の姿が。
それは実家の陵泉寺で副住職を務める、元同級生の真実子(まみこ)だった。
かつての優等生の面影のない姿に唖然とする英介の傍ら、光司は真実子を『ギャル僧まみたん』として売り出して金儲けをすることを思いつく——!?
見どころ
本書の見どころは、ギャル僧である真実子の明るく前向きな生き方と、それに対比するようになんとなく生きている主人公・英介との関係です。
英介は初め、父親から継いだ酒店をこれといった目標もなく経営していました。しかし、『陵泉寺をもっと有名にしたい』という目標を持って寺マルシェを開催する真実子に関わることで、次第に心境に変化が生じていきます。
日々を惰性で生きていた英介が、何事にも楽しそうに取り組む真実子を見て、日常の中に楽しみを見出していく過程は心がほっこりするのと同時に、「私もこうありたい」と思うようになるはずです。
こんな人におすすめ
本書は、『成瀬は天下を取りに行く』などの成瀬シリーズの著者・宮島未奈による作品です。
成瀬シリーズに引き続き、信念をもった女性が周囲に影響を及ぼしていく過程はワクワクが止まりません。
また、主人公・英介は30歳。子供の頃は楽しかったことを大人になって楽しめなくなっており、日々を惰性で生きています。
この感じ、わかりませんか?
子供の頃は近所の小さなお祭りで出店に行くのが楽しみで眠れなかったのに、大人になってからは近くを通ったときに「あぁ、今日やっているんだ」と思うくらいで通り過ぎる。
この感じがわかる人にはぜひ、本書を読んでほしいと思います。
変わらない日々の中にも少しの変化があり、そこに楽しみを見つけようと思えるようになりますよ。
私ももっと毎日を楽しんでいきたいと思いました!
ギャルにひかれて寺マルシェの総合評価と感想
総合評価:★★★★☆(4.5)
| 評価項目 | 点数 |
| ストーリー | ★★★★☆ |
| キャラクター | ★★★★★ |
| 読みやすさ | ★★★★★ |
| 読後感 | ★★★★★ |
『成瀬』シリーズと同じく、信念を持った女性(ギャル僧・真実子)が周囲を巻き込んで変えていく痛快さがしっかり味わえる一作でした。舞台が学校から「地元の寺と商店街」に移ったことで、大人になって日常に飽きてしまった人ほど刺さる物語になっています。
特に、惰性で生きていた30歳の英介が、真実子と関わるうちに「日常の中に楽しみを見つけていく」過程は、読んでいて自然と背筋が伸びます。子供の頃はあんなに楽しみだったお祭りを、大人になると素通りしてしまう——その感覚に心当たりがある人には、まさに“再発見”の一冊です。
陵泉寺で開催される寺マルシェでちょっとした事件が起きそれは英介たちの手によって解決に向かいます。読み終えたあとに「私ももっと毎日を楽しもう」と前向きになれる、あたたかい読後感が魅力。成瀬シリーズが好きな方はもちろん、日常にちょっと疲れた大人にこそ読んでほしい作品です。
宮島未奈さんの他の作品もあわせてどうぞ
みやくろ書房では、宮島未奈さんの成瀬シリーズを全作紹介しています。
成瀬シリーズを含む宮島未奈さんのおすすめ作品を、読む順番つきでまとめました。

▼シリーズを最初から読みたい方はこちら📚
【1作目】『成瀬は天下を取りに行く』
【2作目】『成瀬は信じた道を行く』
【3作目・完結編】『成瀬は都を駆け抜ける』
成瀬シリーズを読み終えた方は、本作『ギャルにひかれて寺マルシェ』もぜひ😊


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