【書評】霊媒クラブ(梨)あらすじと感想|ホラー×ミステリの融合、生徒会が挑む学園怪異譚

ホラー

霊媒クラブ

著者:梨
出版社:イースト・プレス

目次(章構成)

  • 第一話 怪人アンサー
  • 第二話 ヨジバ
  • 第三話 リアルさん
  • 第四話 ヒトダマ
  • 第五話 XXXX

あらすじ

 中学二年生の春、遠渓(えんえい)中学校に転入してきた松谷美夜(まつたにみや)は、生徒会長である常守通(つねもりとおる)から生徒会に誘われる。

 そこで松谷を待ち受けていたのは、「一般生徒が『怪異』を捏造し、生徒会がその『怪異』の解決=霊媒を行う」という学校の歪な伝統だった。

 そして生徒会に、女子生徒から相談が持ち込まれる。

 女子生徒四人が円形に座り、学校支給のタブレットを使って、それぞれ隣の友人に通話をしたところ、その内の一人が「怪人アンサー」を呼び出してしまったと言う——

 人工的に作られた怪異をめぐる推理合戦。

 この伝統が生まれた本当の真実とは。

見どころ

本書は一風変わったホラー・ミステリーです。

見どころはなんといっても、個性的な生徒会役員たちによる怪異の解決。

これだけ聞くと、ファンタジーものかな?と思ってしまいますが、遠渓中学校における怪異の解決とは『怪異が人為的に再現可能であることを示す』こととなっています。

生徒会に持ち込まれる怪異の相談に対し、生徒会役員は相談者や目撃者から話を聞き、現場へ赴きます。その怪異を再現すべく推理していく過程が、とても読み応えがあります。

そして、なぜ生徒たちは怪異を発生させるのか。

遠渓中学校の歪な伝統に隠された真実を知りたい方はぜひ一読を!

こんな人におすすめ

 ミステリーも好きだしホラーも好き!

 本書はまさにそんな方におすすめです。

 生徒会に相談がなされる段階では完全にホラーもの。怪異を体験した生徒の話を読んでいる間はまさにホラー小説でドキドキします。

 そこからの生徒会役員のターンはまさにミステリーの探偵による謎解き。

 ホラーとミステリーがこんなにも親和性があるとは思いませんでした笑

霊媒クラブの総合評価と感想

総合評価:★★★★☆(4.0)

評価項目点数
ストーリー★★★★☆
設定の独創性★★★★★
怖さ(ホラー感)★★★★☆
読みやすさ★★★★☆

「一般生徒が怪異を捏造し、生徒会がそれを“再現”して解決する」——この歪で独創的な設定だけで、一気に引き込まれる一作でした。ホラーとミステリーは相反するようでいて、こんなにも相性が良いのかと驚かされます。

相談が持ち込まれる段階は、怪異を体験した生徒の語りでゾクゾクする純然たるホラー。そこから生徒会役員が現場に赴き、「その怪異は人為的に再現可能だ」と論理で解き明かしていくミステリーの謎解きパートへ——このホラー→ミステリーの二段構えの緩急が本当に見事です。

そして物語全体を貫くのは、「なぜ遠渓中学校には“怪異を作る”という歪な伝統があるのか」という大きな謎。各話を追ううちにその真実へ近づいていく構成に、ページをめくる手が止まりませんでした。ホラーも好き、ミステリーも好き——そんな欲張りな方に、自信を持っておすすめできる学園怪異譚です。

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