【書評】鴨川ホルモー(万城目学)あらすじと感想|青春×ファンタジー×コメディーが融合した傑作

青春

鴨川ホルモー

著者:万城目 学
出版社:角川書店(角川文庫)

目次(章構成)

  • はじめに
  • その一 京大青竜会
  • その二 宵山協定
  • その三 吉田代替わりの儀
  • その四 処女ホルモー
  • その五 京大青竜会ブルース
  • その六 鴨川十七条ホルモー
  • エピローグ

あらすじ

京都大学に入学して一月が過ぎた安倍(あべ)は、京都三大祭りの一つ葵祭(あおいまつり)に牛車を引くエキストラとして参加した帰りに、一組の男女からサークルの勧誘を受ける。

そのサークルの名前は「京大青竜会」。物々しいサークル名と活動内容が曖昧であるものの、とりあえず新歓コンパに出席することにした安倍はその席で、同じく京大新入生の早良京子(さわらきょうこ)と出会い一目惚れする。

安倍は早良京子に会うために、何度かサークルの例会に出席するうちに、なし崩し的にサークルに入会することに。そして、入会から二月が過ぎた頃、「四条烏丸交差点の会」が行われた。

その後、明らかになったサークルの活動内容とは、「式神」あるいは「オニ」と呼ばれるものを使役してホルモーを戦い合うというものであった。戦う相手は「京都産業大学玄武組」「立命館大学白虎隊」「龍谷大学フェニックス」の三校。

「式神」とは「ホルモー」とは……

安倍の恋の行方はいかに!

見どころ

本書の見どころは主人公・安倍の成長の過程にあります。

安倍はなし崩し的にサークルに入会し、早良に会うために活動をしていきますが、ホルモーが行われる過程で自身の内面と向き合い、友人を支え、支えられて成長していきます。

その過程の描写は時にコミカルに、時にシリアスに描かれており、読者を惹きつける内容となっています。

また千年前から続く「ホルモー」とはいったいなんなのか。その謎が徐々に明らかになっていく過程はワクワクすること間違いなし!

こんな人におすすめ

本書は、青春×ファンタジー×コメディーと欲張りな内容で、それでいて全てがちょうどいい具合にブレンドされており、読みやすく没入感を得られる一冊です。

青春ものが好きな人、ファンタジーものが好きな人、コメディーが好きな人にはぜひおすすめです。

笑いあり、涙あり、時にシリアス、時にドタバタ劇、そして徐々に明らかになる真実。

私は続きが気になり過ぎて睡眠時間を削ってしまいました笑

少しでも気になった人はぜひ一読を!

📚 続編『ホルモー六景』もあわせてどうぞ

『鴨川ホルモー』の舞台裏を描く6つの連作短編集。
安倍以外の人物の視点で描かれる「ホルモー」の別の顔が見られます。
祇園祭、合コン、時空を超えた恋——京都を舞台にした笑いと涙の6景です。

👉 『ホルモー六景』の書評はこちら

鴨川ホルモーの総合評価と感想

総合評価:★★★★☆(4.5)

評価項目点数
ストーリー★★★★★
設定の独創性★★★★★
読みやすさ★★★★★
読後感★★★★☆

京都の大学生が、式神(オニ)を使役して大学対抗バトルをする」——この一度聞いたら忘れられない設定を、青春・ファンタジー・コメディーの絶妙なブレンドで成立させてしまう万城目学さんの手腕に脱帽の一作でした。

早良京子への一目惚れをきっかけに、なし崩しで謎のサークル「京大青竜会」に入会してしまう安倍。ふざけているようでいて、ホルモーを通じて安倍が自分の内面と向き合い、仲間に支えられて成長していく過程にはしっかり胸を打たれます。コミカルな場面で笑わせておいて、ふとシリアスに切り込んでくる緩急が本当に見事です。

そして「千年続くホルモーとは何なのか」という謎が少しずつ明かされていくワクワク感。私は続きが気になりすぎて、つい睡眠時間を削って一気読みしてしまいました。青春もの・ファンタジー・コメディーのどれか一つでも好きな人なら、間違いなく楽しめる傑作です。

『鴨川ホルモー』から始まるこのシリーズは、『ホルモー六景』を経て、完結編『ホルモー燦燦』で大団円を迎えます。シリーズを追いたい方はこちらもどうぞ。

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