【書評】密室法典(五十嵐律人)あらすじと感想|『六法推理』続編のリーガル・ミステリー第2弾

ミステリー

密室法典

著者:五十嵐律人
出版社:角川書店

目次(章構成)

  • プロローグ
  • 密室法典
  • 今際言伝
  • 閉鎖官庁
  • 毒入生誕祭
  • エピローグ

あらすじ

霞山大学の法学部から同大学のロースクールへと無事に進学した古城行成(こじょうゆきなり)。

古城が運営する「無料法律相談所」(通称「無法律」)は、自称助手の経済学部四年・戸賀夏倫(とがかりん)と、法学部四年・矢野綾芽(やのあやめ)とともに、持ち込まれた法律絡みの事件を解決する自主ゼミである。

古城たちに持ち込まれるのは——

  • 密室状況にある模擬法廷で、恐竜の着ぐるみが倒れていた監禁事件
  • 2通の遺言書を作成した医者の不審死とダイイングメッセージの謎
  • 官庁訪問の会場で相談された、雪山での遭難事件

こうした経験を通じて、古城たちは少しずつ、法の真理と人間への洞察を深めていく。

見どころ

本書の見どころは、前作『六法推理』に引き続き戸賀と古城たち無法律チームによる謎解きにあると思います。優秀な自称助手・戸賀の軽快な推理を、法律知識で補う古城たち——その組み合わせと結末がやはり秀逸です。

本書では、不可解な事件による相談が無法律に持ち込まれますが、それぞれの動機や結末はある意味でとても現実的でした。

相談が持ち込まれる導入部分から戸賀の軽快な推理。そして古城による民法や刑法に則った現実的な着地は、他のミステリー小説にはない読み応えがあります。

こんな人におすすめ

本書は前作『六法推理』を読んだ方はもちろん、ミステリーが好きな人にぜひ読んでほしいと思います。

密室となっていた模擬法廷での事件。 医師の不審死とダイイングメッセージ。

ほら、これだけでワクワクしてきませんか?

それだけではなく、本書では法律論も詳しく紹介されており、この事件が何罪に該当するのかまで描写されているので、読んでいて「なるほどな」と勉強させていただきました笑

それでいて、内容は堅苦しくなく、テンポよく物語が進んでいくのであっという間に読み終わってしまいます。

ミステリー好きの皆さん!ぜひ一読を!

📚 前作『六法推理』もあわせてどうぞ

古城×戸賀コンビの出会いは前作『六法推理』から。
本作からでも楽しめますが、二人の関係性を最初から追いたい方は前作もぜひ。

現役弁護士・五十嵐律人さんによる、青春リーガル・ミステリーの原点です。

👉 『六法推理』の書評はこちら

密室法典の総合評価と感想

総合評価:★★★★☆(4.5)

評価項目点数
ストーリー★★★★☆
キャラクター★★★★★
読みやすさ★★★★★
リアリティ(法律描写)★★★★★

前作『六法推理』の魅力そのままに、「無法律」チームのコンビネーションがさらに楽しくなった続編でした。ロースクールに進学した古城に、自称助手の戸賀、そして新メンバーの矢野綾芽が加わり、掛け合いのテンポが一段と軽快に。密室状態の模擬法廷で恐竜の着ぐるみが倒れていた監禁事件、2通の遺言書とダイイングメッセージ——導入だけでワクワクさせられる事件ばかりです。

本作でも光るのは、現役弁護士の作者ならではのリアルな法律論。「この事件は何罪に当たるのか」まで丁寧に描かれ、読みながら自然と勉強になります。それでいて堅苦しさは一切なく、戸賀の軽快な推理を古城たちが法律知識で補っていく構成で、テンポよく一気に読めてしまいました。

それぞれの事件の動機や結末が、どこか現実的で地に足がついているのも本シリーズならでは。派手なトリックだけでは終わらない、人間ドラマとしての読み応えがあります。前作を読んだ人はもちろん、リーガル・ミステリー好き・ミステリー好きに自信を持っておすすめできる第2弾です。

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