成瀬は天下を取りにいく
著者:宮島 未奈
出版社:新潮社
本屋大賞を受賞し大ヒットした『成瀬は天下を取りにいく』。気になっているけれど、「本当に面白いの?」「主人公が変わり者と聞くけど、つまらなくないの?」と迷っている方も多いのではないでしょうか。
結論からお伝えすると、本作は好き嫌いがはっきり分かれる作品です。ただ、ハマる人にとっては唯一無二の魅力を持った青春小説でもあります。
この記事では、ネタバレなしで「つまらないと感じる人がいる理由」と「それでも読んでほしい理由」の両方を、正直にお伝えします。
あらすじ
滋賀県大津市に住む中学2年生の主人公「成瀬あかり」は、西武大津店が一ヶ月後に閉店するのを受け、親友である島崎みゆきに「島崎、わたしはこの夏を西武に捧げようと思う」と宣言するところから物語が始まる。
そして、西武大津店が閉店してからも、成瀬あかりは「島崎、わたしはお笑いの頂点を目指そうと思う」と宣言し、島崎と共にM-1グランプリ出場へ向けて動き出す。
成瀬は天下を取りにいくが「つまらない」と感じる人がいる理由
『成瀬は天下を取りにいく』を「つまらない」と感じる人がいるのも事実です。主な理由は次の3つです。
・主人公・成瀬あかりが淡々としていて、感情移入しにくいと感じる
・派手な事件やドラマチックな展開が少なく、日常の積み重ねが中心
・連作短編集のため、一本の大きなストーリーを期待すると物足りない
たしかに、王道の青春ドラマを期待して読むと、肩透かしを感じるかもしれません。
ただ、これらは裏を返せば本作ならではの魅力でもあります。次に、それでも読んでほしい理由をお伝えします。
成瀬は天下を取りにいくが「面白い」と言われる理由・見どころ
主人公である「成瀬あかり」の確固とした信念に基づいた行動や、その行動を肯定し、応援する相棒役と言える親友の「島崎みゆき」の二人のやりとりは、信頼感が滲み出ており、読んでいるだけで楽しくなってきます。
また、成瀬あかりの行動によって周囲の人たちは些細ながらも確実な変化を起こしており、その様子が第三者視点で語られるのもわかりやすく、また、主人公たちの活躍がどのように捉えられているのかが分かります。
特に終盤の成瀬あかりと島崎みゆきのやり取りには、お互いがお互いを大事に思い合っているのが伝わり、とても感動します。
『成瀬は天下を取りにいく』の主な登場人物
成瀬あかり
本作の主人公。滋賀県大津市に住む中学2年生から物語が始まる。「わたしはこの夏を西武に捧げようと思う」「島崎、わたしはお笑いの頂点を目指そうと思う」など、思いついたことに全力で突き進む規格外の少女。周囲の目を一切気にせず、自分の信念だけで行動するその姿が、多くの読者を惹きつけます。
島崎みゆき
成瀬の幼なじみで親友。成瀬の破天荒な行動に巻き込まれながらも、そばで見守り続ける存在。読者に最も近い“常識人”の視点から成瀬を見つめることで、成瀬の非凡さが一層引き立ちます。
このほかにも、成瀬に振り回されたり影響を受けたりする個性豊かな人々が登場し、連作短編ならではの群像劇として物語を彩ります。
『成瀬は天下を取りにいく』は読書感想文にもおすすめ
本作は、読書感想文の題材としても書きやすい一冊です。理由は、「自分の信念を貫くこと」「挑戦すること」「本当の友情とは何か」といった、自分の経験と結びつけて書けるテーマがはっきりしているからです。
感想文を書くときは、たとえば次のような切り口がおすすめです。
成瀬の生き方をどう感じたか:周りを気にせず突き進む成瀬を「うらやましい」と思ったか、「自分には無理」と思ったか。その理由を自分の体験と結びつけて書くと深まります。
島崎の立場だったら:もし自分が成瀬の親友だったら、どう接するか。
心に残ったセリフ:「わたしは200歳まで生きる」など、印象的な言葉を一つ選び、なぜ響いたのかを書く。
難しい言葉は使わず、「自分だったらどうか」を軸に書くと、あなたらしい感想文になりますよ。
『成瀬は天下を取りにいく』が愛される理由
本作がこれほど多くの人に愛され、本屋大賞に輝いたのは、成瀬あかりという主人公が「こう生きられたらいいのに」を体現してくれるからだと思います。
私たちは大人になるほど、周囲の目や失敗への不安から、やりたいことに素直になれなくなります。けれど成瀬は、そんな“ためらい”とは無縁。地元・大津の実在スポットを舞台に、突拍子もない目標へ全力で挑む姿は、読んでいるだけで胸がすくようです。読み終えたあと、「自分も何かに一歩踏み出してみようかな」と背中を押される——それが本作の一番の魅力です。
成瀬は天下を取りにいくの総合評価と感想
『成瀬は天下を取りにいく』の総合評価は ★★★★☆(4.5/5)です。
本屋大賞を受賞したのも納得の、爽快な青春小説でした。主人公・成瀬あかりの、自分の「好き」をまっすぐ貫く生き方は痛快そのもの。西武大津店への愛、M-1への挑戦と、突拍子もない行動の連続なのに、なぜか応援せずにはいられません。
正直な感想としては、淡々とした成瀬のキャラクターに最初は戸惑うかもしれませんが、読み進めるうちにその魅力にどんどん引き込まれます。親友・島崎との関係や、成瀬を見守る周囲の人々の視点も温かく、読後は前向きな気持ちになれる一冊でした。
こんな人におすすめ
最近難しい本ばかり読んでるな…なんか軽く読める小説ないかな…などと考えている人におすすめです。
本作はまさに青春小説であり、友情や恋愛、また成長に伴う人間関係の悩みなどがきれいに読みやすく描かれており、ページをめくる手が止まりません。
あっという間に読み終わること間違いなし!ぜひ一読を!
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成瀬シリーズと同じく、信念を持って前向きに生きる女性が主人公の物語です。


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