【書評】黒牢城(米澤穂信)あらすじと感想|面白い?つまらない?

ミステリー

黒牢城

著者:米澤穂信
出版社:KADOKAWA

「黒牢城って面白いの?それともつまらない?」

そんな疑問を持って検索された方も多いのではないでしょうか。

結論からお伝えすると、『黒牢城』は戦国時代の籠城戦×本格ミステリーという唯一無二の設定で、第166回直木賞をはじめミステリーランキング4冠を獲得した傑作です。

ただ、人によって「合う・合わない」がはっきり分かれる作品でもあります。この記事では、ネタバレなしで「つまらないと言われる理由」と「それでも読む価値がある理由」の両方を、正直にお伝えします。

あらすじ

 天正6年(1578年)、織田信長の重臣であった有岡城城主「荒木村重」(あらきむらしげ)は、織田信長に叛逆し、毛利方の援軍を頼みに有岡城に籠城する。
 そして、有岡城に迫る織田方の大軍、その最中に荒木村重に謀叛を止めるよう「小寺官兵衛」(後の黒田官兵衞)が有岡城を訪れ、荒木村重に地下の土楼に監禁される。
 織田軍に包囲された有岡城は、荒木村重指揮のもとで籠城戦を行うが、人質が城内において不審な死を遂げる事件が起き、籠城戦の行方には早くも暗い影が差し始めていた。
 荒木村重は、軍の士気低下を防ぐために真相の究明に当たるも、犯人は見つからず、荒木村重は自身と対等に話せる官兵衛に事の次第を語り、謎を解かせることにした。

黒牢城が「つまらない」と感じる人がいる理由

『黒牢城』を「つまらない」と感じる人がいるのも事実です。主な理由は次の3つです。

・戦国時代の人名や時代背景になじみがないと、序盤が読みにくい
・派手なアクションよりも、登場人物どうしの心理戦や会話が中心
・ミステリーの謎解きが、地味に感じられることがある

たしかに、テンポの良いエンタメ作品を期待して読むと、肩透かしを感じるかもしれません。

ただ、これらは裏を返せば『黒牢城』ならではの魅力でもあります。次に、それでも読む価値がある理由をお伝えします。

黒牢城が「面白い」と言われる理由・見どころ

 本作は全四章からなっており、章が進むごとに毛利方の援軍が来ないことによる焦りや荒木軍内における不協和音が表現され、緊張感のある内容となっている。
 また、籠城戦の最中に不可解な事件が発生し、その解決に主人公である荒木村重が乗り出すが、自身の手では解決することができず、地下牢に幽閉している官兵衛のもとを訪ねるが、その二人のやりとりはまさに圧巻だ。
 地下牢で話をしているだけなのに、そこに漂う緊張感、恐怖、そして狂気を感じることができる。
 最終章では、驚きのラストが待っているので、ぜひ最後まで読んでください。

こんな人におすすめ

 歴史小説も好きだし、ミステリー小説も大好き!そんな人のためにあるような小説です。
 時代背景等もしっかりと描かれており、人物描写もまさに戦国時代の武士を表しており、現代とは違う命の使い方を考えさせられます。
 この小説の舞台が石山本願寺を織田軍が攻めるころの話になるので、「村上海賊の娘」も読んでおけば繋がりがあっておもしろいかもしれません。

まとめ|黒牢城は歴史ミステリー好きにこそ読んでほしい傑作

『黒牢城』は、戦国時代の籠城戦という重厚な舞台で描かれる、本格ミステリーの傑作です。

 たしかに、人名や時代背景になじみがないと序盤は少し読みにくいかもしれません。それでも、地下牢での荒木村重と官兵衛の張りつめた心理戦、そして最終章で待つ驚きのラストは、読み終えたあとに「読んでよかった」と思わせてくれます。

「歴史小説は少し苦手」という方も、上質なミステリーとして十分に楽しめる一冊です。気になった方は、ぜひ手に取ってみてください。

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