【書評】犯人はキミが好きなひと(阿津川辰海)あらすじと感想|気軽に読めるラブコメミステリー

ミステリー

犯人はキミが好きなひと

著者:阿津川辰海
出版社:ポプラ社

あらすじ

 名探偵に憧れる女子高校生「瀧花林」(たきかりん)には、幼馴染の「幣原隆一郎」(しではらりゅういちろう)がおり、彼が好きになった女性は必ず何らかの犯罪に関与する。
 花林は、隆一郎のその特異体質を利用して数々の事件を解決していくが、隆一郎は次第に花林に自身の好きな人を隠すようになり、花林は事件が起きるたびに隆一郎の好きな人を探すこととなる。

見どころ

 本書は、ミステリー×ラブコメという一風変わった作品となっており、事件が起きてから、主人公が隆一郎が好きな人を探し始めるという謎の展開になります。
 しかし一番の見どころは、主人公である花林の心境の変化、当初は純粋に犯人を突き止めるために隆一郎の好きな人を探していたはずなのに、読んでいるうちに、あれ、これは花林ちゃんひょっとして…という感じになってきます。
 でも隆一郎くんが好きになる人は、何らかの犯罪を犯す悪女…花林と隆一郎の関係に目が離せなくなります。

こんな人におすすめ

 ミステリー物を読んでみたいけど、難しい推理は面倒だな…、という人におすすめです。
 本書はジャンル的にはミステリーになりますが、切り口が斬新で、読んでいてこういうアプローチをするんだと笑ってしまいます。
 しかし、本格ミステリーを好きな人には向かないかもしれないので、ラブコメをメインにミステリー要素がある作品だと考えて読むと楽しめます。

犯人はキミが好きなひとの総合評価と感想

総合評価:★★★★☆(4.0)

評価項目点数
ストーリー★★★★☆
キャラクター★★★★★
読みやすさ★★★★★
読後感★★★★☆

「幼馴染の彼が好きになった女性は、必ず何らかの犯罪に関わっている」——この突飛な設定を起点に、ミステリーとラブコメを掛け合わせた一風変わった作品でした。事件が起きると、主人公の花林が“隆一郎の好きな人”を探し始める、という謎の展開がクセになります。

一番の見どころは、花林の心境の変化。はじめは犯人を突き止めるために隆一郎の想い人を探していたはずなのに、読み進めるうちに「あれ、これって花林ちゃん自身が…?」と気づかされていく過程が、なんとも甘酸っぱい。隆一郎が好きになるのは必ず“犯罪を犯す悪女”——その切なさも相まって、二人の関係から目が離せなくなります。

本格的な謎解きというより、キャラクターと関係性の機微を楽しむ軽やかなミステリー。肩の力を抜いて、ニヤニヤしながら読みたい人におすすめです。

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