【書評】パラダイス・ロスト(柳広司)あらすじと感想|「ジョーカー・ゲーム」シリーズ第三作のスパイ・ミステリー

ミステリー

パラダイス・ロスト

著者:柳広司
出版社:角川文庫

目次(章構成)

  • 第一章 誤算
  • 第二章 失楽園
  • 第三章 追跡
  • 第四章 暗号名ケルベロス 前篇
  • 第五章 暗号名ケルベロス 後編

あらすじ

大日本帝国陸軍内にスパイ養成機関「D機関」をたった一人で作り上げ、異端のスパイたちを統べるスパイ・マスター結城中佐。

その噂を聞きつけたのは、英国タイムズ紙極東特派員のアーロン・プライス。スパイ行為そのものを厭う陸軍の組織内でスパイ養成機関を作り上げた——不可能を成し遂げた謎の男・結城中佐の過去を、彼は追うことに。

アーロン・プライスは取材を重ねるうちに結城中佐の隠された生い立ちに迫るが……

——第三章 追跡——

見どころ

本書の見どころはスリリングなスパイたちの駆け引き。

特に第二章の「失楽園」では、D機関員が一切出てこないにもかかわらず物語が進みます。シンガポールの「ラッフルズ・ホテル」で起きた殺人事件を捜査するアメリカ海軍の軍人が、知らず知らずのうちに操られていくさまはゾッとしました。

また、完璧なスパイであるD機関員が想定外の事態に出くわした時に、対処するさまも予想できない展開に動いていくので飽きが来ません!

ワクワクして読み進めるうちにいつの間にか読み終わってしまいます!

こんな人におすすめ

本書は「ジョーカー・ゲーム」「ダブル・ジョーカー」の続編にあたります。

そのため、前作を読んでいる人はぜひ読んでほしい作品です。

とは言っても、前作のファンならすでに手に取っている方が大多数だと思いますが笑

「ジョーカー・ゲーム」シリーズ第三作に当たる本書でもスパイ・ミステリーは健在で、息詰まる駆け引き、予想のつかない展開、衝撃のラスト!

まさに期待を裏切らない内容でした。

本書は、各章で完結しており、シリーズを通して継続して登場する人物といえば「結城中佐」くらいなので、前作を読んでいない人にもおすすめできます。

「前作読んでないと面白くないんじゃない?」と思っているあなた!!

騙されたと思って本書を読んでください!

きっとハマって、逆に第二作に手を伸ばすこと間違いなしですよ笑

パラダイス・ロストの総合評価と感想

総合評価:★★★★☆(4.5)

評価項目点数
ストーリー★★★★★
設定・世界観★★★★★
読みやすさ★★★★☆
読後感★★★★☆

「ジョーカー・ゲーム」シリーズ第三作となる本作は、これまで謎に包まれていたスパイ・マスター結城中佐その人に迫るという、ファン待望の一作でした。英国人記者アーロン・プライスが結城中佐の隠された生い立ちを追う構成で、シリーズの“核”に光が当たっていきます。

スリリングなスパイたちの駆け引きは今作も健在。特に第二章「失楽園」は、D機関員が一切登場しないのに物語が進むという大胆な構成で、シンガポールのラッフルズ・ホテルで起きた事件を捜査するアメリカ海軍軍人が、知らぬ間に操られていく様にはゾッとさせられました。完璧なはずのD機関員が想定外の事態にどう対処するのか——予想を裏切る展開の連続で、まったく飽きが来ません。

息詰まる駆け引き、読めない展開、そして衝撃のラスト。期待を裏切らないシリーズ第三作です。前作『ジョーカー・ゲーム』『ダブル・ジョーカー』を楽しんだ人はもちろん、硬派な頭脳戦スパイ・ミステリーが好きな人におすすめです。

本作はシリーズ第三作です。すべての始まりである第1作『ジョーカー・ゲーム』から読むと、D機関と結城中佐の世界をより深く楽しめます。

【書評】ジョーカー・ゲーム(柳広司)あらすじと感想|硬派なスパイ・ミステリー
死ぬな、殺すな、とらわれるな。戦時スパイたちの緊迫の諜報戦書評。

前作にあたる第2作『ダブル・ジョーカー』では、D機関と対立する新たな諜報機関「風機関」が登場します。あわせてどうぞ。

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柳広司『ダブル・ジョーカー』の書評・感想。『ジョーカー・ゲーム』続編。「死ぬな、殺すな、とらわれるな」のD機関と、「躊躇なく殺せ、潔く死ね」の風機関——対立する諜報機関を描くスパイ短編集。

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