【書評】山上のフェイク(潮谷験)あらすじと感想|「現在」と「記録」が交錯する本格ミステリー

ミステリー

山上のフェイク

著者:潮谷験
出版社:光文社

目次(章構成)

  • 第一章 山上の同窓会
  • 第二章 山岳救助隊
  • 第三章 死者の罠
  • 第四章 二つの回答
  • 第五章 生か、死か
  • 第六章 山上のフェイク
  • 余談

あらすじ

 山上のコテージで開かれた文学サークル同窓会。下山しない参加者を案じて送り込まれた山岳救助隊員たちは、無人のコテージで主催者の刺殺体を発見する。

 程なくして参加者の手記が見つかるものの、そこには救助隊員たちをさらなる混乱に陥れる「ある記述」が残されていた——。

 人命救助の行方は? 殺人犯の正体は? 事態の真相は?

 「現在」と「記録」、二つの視点が織りなす、圧倒的なスピード感に満ちた本格ミステリー。

見どころ

 本書の見どころは、文学サークル同窓会に参加し、事件の当事者となってしまう射場由美子(いばゆみこ)と赤屋敷克彦(あかやしきかつひこ)の物語。二人がコテージに残した「手記」と「罪人の独白」という犯人視点で語られていきます。

 本書での主人公と言える山岳救助隊副隊長・塞条真壱(さいじょうしんいち)は、コテージに残された「手記」と現場の痕跡から、行方不明となっている同窓会参加者たち五人を捜索していきます。事件の真相を探っていく過程は緊張感にあふれ、目が離せません。

 そして明らかになる衝撃の真相——。

 ちょっとでも本書が気になった人はぜひ一読を!

こんな人におすすめ

 本書は本格ミステリー好きな人におすすめです。

 本格ミステリーでありながらテンポよく進んでいき、とても読みやすい内容となっています。

 序盤で犯人視点の「罪人の独白」から始まり、当事者たちの「手記」も登場。もはや序盤から山場でした笑

 それ以降も読者を惹きつけて離さない展開が続き、気がつけば読了していました。

 著者である潮谷験のファンの方はもちろん、ミステリー好きには本当におすすめです!

山上のフェイクの総合評価と感想

総合評価:★★★★☆(4.5)

評価項目点数
ストーリー★★★★★
構成・仕掛け★★★★★
読みやすさ★★★★★
読後感★★★★☆


 潮谷験さんらしい、「現在」と「記録」という二つの視点が交錯する構成の妙が光る一作でした。山上のコテージで見つかった刺殺体、そして残された「手記」と「罪人の独白」——序盤からいきなり山場が押し寄せ、ページをめくる手が止まりません。

 本格ミステリーでありながら、とにかくテンポが良くて読みやすいのが本作の魅力。犯人視点の独白、当事者たちの手記、そして山岳救助隊副隊長・塞条真壱の捜索——複数の視点が緊張感をもって噛み合い、気づけば一気に読了していました。

 そして明らかになる衝撃の真相。「現在」と「記録」の交錯が最後に見せる仕掛けは、ミステリー好きなら思わず唸るはずです。潮谷験さんのファンはもちろん、本格ミステリーをテンポよく楽しみたい人に自信を持っておすすめできる一冊です。

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