六法推理
著者:五十嵐律人
出版社:角川書店
目次(章構成)
- 第一章 六法推理
- 幕間 法曹一家
- 第二章 情報刺青
- 幕間 誰彼味方
- 第三章 安楽椅子弁護
- 幕間 秋霜激烈
- 第四章 親子不知
- 幕間 陽炎天秤
- 第五章 卒業事変
あらすじ
霞山大学法学部四年の古城行成(こじょうゆきなり)は、課外活動の一環として無料法律相談所(通称・無法律)というサークルの代表を務めていた。
無法律の活動内容は「法律上のトラブルを抱えた学生の話を聞き、法的な観点からアドバイスをする」ことであったが、現在はとある理由から古城一人で活動を行っていた。
そして、霞山大学の学園祭の最中、古城が無法律のゼミ室を訪れると、そこには経済学部三年の戸賀夏倫(とがかりん)がたこ焼きを片手に寛いでいた。用件を尋ねると、下宿先の怪現象に悩んでおり、その正体を探ってほしいと言う。
古城は事故物件の規制を踏まえて推理するが、戸賀と現場で話すうち、意外な犯人に辿り着く——。
リベンジポルノ、毒親問題、カンニング騒動など、学生を悩ます事件に法律マシーン・古城と自称助手・戸賀コンビが挑む。
見どころ
本書の見どころは、主人公・古城行成と自称・助手の戸賀夏倫のコンビにあると思います。
共感性は低いが法律的な観点と客観的な状況から推理する古城と、共感性に優れ動機面から犯人を推理する戸賀——お互いの欠点を補いながら推理を進めていく過程に、目が離せません。
人を信じきれない古城と、ズカズカと懐に飛び込んでいく戸賀。
まさに真逆と言える二人ですが、事件を通じて徐々に変化していく関係性は目が離せません。
また、作者は現役の弁護士ということで、それぞれの事件がどのような法律に違反するのかも詳しく説明されており、それゆえに解決の難しさがわかります。
法的な解決が当事者の心の傷を癒すことになるのか——。
とても考えさせられる内容となっています。
こんな人におすすめ
本書は爽やか青春リーガル・ミステリ!
ということで、ミステリー好きな人はもちろん、青春ものが好きな人にもおすすめです。
主人公は若干影がある感じですが、それをほぐしていく夏倫ちゃん。
二人の関係にも目が離せません笑
そして、リアルな法律論。
世の中の問題全てを法律だけで解決するのはとても難しいのだなとわかりました。
各章で完結しているのでスキマ時間にも読みやすい内容となっています。
続編もあるようなので私はこれから本屋に走ります!
ぜひ、一読を!
📚 続編『密室法典』もあわせてどうぞ
『六法推理』を読んで「続きが読みたい!」となった方に朗報。
ロースクールに進学した古城たちが、密室の模擬法廷・遺言書の謎・雪山遭難などに挑む第2弾『密室法典』も公開しました。
古城×戸賀コンビ健在!さらに新キャラも登場し、事件のスケールも広がっています。
六法推理の総合評価と感想
総合評価:★★★★☆(4.5)
| 評価項目 | 点数 |
| ストーリー | ★★★★☆ |
| キャラクター | ★★★★★ |
| 読みやすさ | ★★★★★ |
| リアリティ(法律描写) | ★★★★★ |
現役弁護士である五十嵐律人さんならではの、リアルな法律論と青春ミステリーの融合が心地よい一作でした。共感性は低いが法律と客観的状況から推理する古城と、動機面から迫る自称助手・戸賀——正反対の二人が欠点を補い合うコンビが本当に魅力的です。
リベンジポルノ、毒親問題、カンニング騒動など、学生を悩ませる事件はどれも身近でリアル。「法的な解決が、当事者の心の傷を本当に癒すのか」という問いが各エピソードに通底していて、爽やかな読み口ながら考えさせられます。世の中の問題を法律だけで解決することの難しさが、じんわり伝わってきました。
各章で完結する連作形式なので、スキマ時間にもサクサク読めるのも嬉しいポイント。影のある古城と、ズカズカ懐に入っていく戸賀の関係が変化していく様子も見どころです。続編もあるとのことで、私も次が待ちきれません。ミステリー好きにも青春もの好きにも自信を持っておすすめできる一冊です。


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