【書評】クスノキの女神|東野圭吾が贈る家族愛の感動小説

感動

クスノキの女神

著者:東野圭吾
出版社:実業之日本社

あらすじ

 月郷神社内には大きなクスノキがあり、そのクスノキに願いごとをすると願いが叶うという言い伝えがある。
 直井玲斗は、柳澤千舟から「クスノキの番人」の役目を引き継ぎ、神社内の清掃をしていると、早川佑紀奈と名乗る女子高校生が現れ「詩集を置かせてくれませんか」と声をかけられる。
 玲斗は手作りの「おーい、クスノキ」と題された詩集を境内に置くことを了承したが、その後、月郷神社の近くで強盗致傷事件が発生し犯人は捕まったものの犯行後、月郷神社のクスノキに隠れていたことが判明する。
 そして、玲斗は千舟と共に参加したとある集まりで、脳腫瘍を患い、その影響で記憶が一日しか保つことができない少年「針生元哉」と出会い親交を深めることになる。
 作家を目指す早川佑紀奈、今日の記憶を明日の自分に日記で託す針生元哉、月郷神社の近くで発生した事件の真相を追う刑事、それぞれの物語が絡み合い、迎える結末はいかなるものか。

見どころ

 本書の見どころは、難病の息子を支える家族の絆と、認知症がじわじわと進行する千舟とそれを支える玲斗の悲しくも美しい家族愛にあります。
 針生元哉は作中で「『おーい、クスノキ』の詩を読んだ瞬間に閃いた。このクスノキは女神なんだって。何百年間も人々の営みを見守っている」と言います。
 少年が女神に祈るものとは、そして女神が少年に見せるものとはいったどのようなものなのか。
 

こんな人におすすめ

 本書は上記の見どころでも書いている通り、家族愛に焦点が当てられた作品となっており、涙なしには読めません。
 前作「クスノキの番人」でも感動しましたが、本書はそれを上回る内容となっており、物語後半になるにつれ、頻繁に視界が滲むことが多くなります。
 最近感動した記憶がないなという人にはぜひ、本書を読んで滝のような涙を流してリフレッシュしてください。
 読み終わったあとには、あなたの大切な人に連絡したくなること間違いなしです。

前作「クスノキの番人」のレビューはこちら

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