【書評】氷住灯子教授と僕とYの世界(有間カオル)あらすじと感想|気軽に読めるライトホラー

ホラー

氷住灯子教授と僕とYの世界

著者:有間カオル
出版社:二見書房

あらすじ

 茂鳥直希(もどりなおき)には子供のころから、他の人には見えないものが見え、そのために孤独な学生生活を過ごしていた。
 茂鳥直希はそれまでの孤独な生活から脱却するため、自分のことを知る人がいない東京の大学へ進学し、新生活を始めることになるが、その大学内には超常現象を研究する「Y研究室」という研究室があり、その研究室では雑用係を募集していた。
 直希がY研究室へ赴くと、そこには年齢不詳の気怠げな女性教授「氷住灯子」(ひずみとうこ)がおり、直希を雑用係として採用する。
 そして、直希は大学内で目も鼻も口もない女子学生を見かけ、後日、その女子学生から「茂鳥くん、私の顔見て驚いたよね」と相談を持ちかけられることになり、Y研究室へ連れていくことになる。

見どころ

 孤独な過去を背負った主人公「茂鳥直希」と不思議な能力を持った氷住教授が、Y研究室に持ち込まれる相談を解決する過程は、ハラハラドキドキの連続で、一見冷たく見える氷住教授が直希を気にかけアドバイスをして、解決に至るのは読んでいてとても楽しめます。
 また、本書は全三章からなっており、それぞれ独立した内容でサクサクと読み進めることができます。
 章が進むに連れ、氷住教授の謎が徐々に明らかになっていくのも興味深いです。
    第一章 顔を奪われた女
    第二章 虚偽の幽霊
    第三章 古書店の女神

こんな人におすすめ

 本書はホラー系を読みたいけど、グロテスクなのはちょっと…、ホントに怖いのは嫌だな、という人におすすめです。
 本書はいわゆるライトホラー的なものであり、怖さ控えめでありながらもしっかりと心霊現象が描かれており、その発生理由も納得のいくものとなっており、そこに主人公と氷住教授が入ることで見応えのある内容となっています。
 読んだ後には続編を期待すること間違いなしの作品です。

氷住灯子教授と僕とYの世界の総合評価と感想

総合評価:★★★★☆(4.0)

評価項目点数
ストーリー★★★★☆
キャラクター★★★★★
読みやすさ★★★★★
設定の面白さ★★★★☆

幼い頃から“見えないものが見えて”しまい孤独に育った茂鳥直希が、大学の超常現象研究室「Y研究室」で、年齢不詳の気怠げな女性教授・氷住灯子と出会う——そんなライトホラー×謎解きの一作でした。持ち込まれる怪異の相談を解決していく過程はハラハラの連続で、一気に読めます。

魅力は、なんといっても氷住教授のキャラクター。一見冷たく見えて、実は直希を気にかけアドバイスを送る——その距離感の心地よさに引き込まれます。全3章の連作形式でサクサク読め、章が進むごとに氷住教授自身の謎が明かされていくのも大きな読みどころです。

怖すぎず、でもゾクッとする絶妙なさじ加減。ホラーは少し苦手だけど雰囲気は味わいたい、という人や、個性的なキャラの謎解きが好きな人におすすめです。

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