【書評】最後の一色|気軽に読める歴史小説を探している人へ

歴史

最後の一色

著者:和田 竜
出版社:小学館

あらすじ

 舞台は織田信長が新たな天下を築こうとしている戦国時代の丹後国(現在の京都府北部)で、織田信長から丹後平定を命じられた長岡家と、室町時代から戦国時代までおよそ二百年間にわたり国主ともいえる丹後守護の地位にあった一色家の自家の存続をかけた戦いが始まる。
 その戦の最中、一色家当主である一色義員(いっしきよしかず)は中山城での戦いに敗れて自刃し、義員の嫡男、一色五郎が17歳にして第十一代目丹後守護となり、大雲川での撤退戦で同い年である長岡家次期当主の長岡忠興と初めて刃を交わすこととなる。

見どころ

 本書の見どころはなんといっても、ライバルとも言える一色五郎と長岡忠興の関係性の変化、時に敵として刃を交わし、時には味方として共に戦に臨み、その中で長岡忠興の中に一色五郎に対する友情とも憧憬とも呼べる感情が築かれていく。
 また、一色家と長岡家で和睦を結ぶにあたり、忠興の妹である長岡家の伊也姫を一色家に輿入れすることとなり、当初は五郎の妻になることに嫌悪感を示す伊也姫であったが、伊也姫も一色五郎の戦場では見せぬ純朴な側面に惹かれていく。
 これら主要人物である、一色五郎、長岡忠興、伊也姫のそれぞれの信念、友情、愛情について見事に描かれており、読み終わった後には聖地巡礼したくなること間違いなしです。

こんな人におすすめ

 歴史小説は読んでみたいけど難しそう、日本史みたいなものだろうと思っている人にはぜひ本書を読んでみてください。
 本書は、筆者による入念な調査に基づく史実に限りなく近い時代描写や、創作物としての登場人物たちの心の動きが読みやすく、すんなりと頭の中に入ってきます。
 歴史に興味のない人ほど、読んでみると歴史を勉強したくなるかもしれません。

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