鹿男あをによし
著者:万城目学
出版社:幻冬舎文庫
目次(章構成)
- 第一章 葉月(八月)
- 第二章 長月(九月)
- 第三章 神無月(十月)
- 第四章 霜月(十一月)
あらすじ
大学の研究室を追われた28歳の「おれ」は、大学教授の勧めに従って奈良県にある奈良女学館高等学校に赴任することになる。
「おれ」は1-Aを担当することになるが、そのクラスの「堀田イト」はなぜか赴任当日から「おれ」に対し敵愾心を露わにしてくる。
さらに、生徒との接し方に悩む「おれ」の前に一頭の雌鹿が現れ、「さあ、神無月だ——出番だよ、先生。」と話しかけてくる。
鹿の言う通りにしなければ日本が滅びるのだという。
彼は鹿の求めに応じて、「サンカク」なるものを手に入れるべく動き出すが……
見どころ
本書の見どころは、主人公である「おれ」の成長にあります。
彼は当初、神経質気味であり、それが原因で大学院の研究室を追い出されてしまいます。
そして、教授から勧められた女子高での教師業務……
神経質な「おれ」はやっぱり「堀田イト」をはじめとする生徒たちとうまくいきません。
しかし、謎の鹿からの指令をこなす中で様々な人と関わり、時には失敗し成長していきます。
物語終盤の剣道大会で、「おれ」が「堀田イト」をはじめとする剣道部員たちに本音で語りかける場面——。ファンタジー小説でありながら青春小説のような味わいでした!
最初は「この主人公、大丈夫か……?」と思いますが、読んでるうちにいつの間にか応援している自分に気が付きますよ笑
こんな人におすすめ
本書はファンタジー好きにはぜひおすすめです。
人の言葉を話す鹿からの依頼を受けて「サンカク」を探す……
主人公は高校教師で、何やら生徒である「堀田イト」も不審な動きをしている……
奈良には鹿。(奈良女学館) 京都には狐。(京都女学館) 大阪には鼠。(大阪女学館)
それぞれの地域に人の言葉を話す獣がいる……
ほら!これだけでワクワクしてきませんか!
著者である万城目学さんの『鴨川ホルモー』が好きな人は本書も絶対に気に入るはずです。
日本の命運を託された「おれ」が最後に選択した結果には感動すること間違いなしです。
ぜひ、一読を!!
鹿男あをによしの総合評価と感想
総合評価:★★★★☆(4.0)
| 評価項目 | 点数 |
|---|---|
| ストーリー | ★★★★☆ |
| 設定の独創性 | ★★★★★ |
| 読みやすさ | ★★★★★ |
| 読後感 | ★★★★★ |
「奈良の鹿が人の言葉を話し、日本を救うために動き出す」——万城目学さんらしい奇天烈な設定でありながら、描かれるのは神経質な主人公“おれ”の不器用な成長という、しっかりした青春小説でした。
大学の研究室を追われ、奈良の女子高に赴任した「おれ」。生徒の堀田イトには初日から敵視され、教師としても空回り続き。正直はじめは「この主人公、大丈夫か…?」と思うのですが、喋る鹿からの無茶な依頼(“サンカク”探し)をこなすうちに様々な人と関わり、失敗しながら少しずつ変わっていきます。気づけば、いつの間にか彼を応援している自分がいました(笑)。
特に終盤、剣道大会で「おれ」が堀田イトたち剣道部員に本音をぶつける場面は、ファンタジーでありながら青春小説そのものの熱さと爽やかさ。奇想天外な設定と、まっすぐな青春ドラマの両方を味わいたい人、ファンタジー好きにおすすめの名作です。


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